緊急事態宣言も延長されて外出自粛も続いておりますね。
一部の地域の子供たちには学校も再開されたようですが、ほとんどの子ども達には家庭での学習が続いているようです。
私も学校が好きな方でした。長いお休みになるとシュンとしてしまい、家族に「どうしたの?」と聞かれると「学校がなくて、お友達と遊べなくてつまらないの」と答えた記憶があります。
そして、今では考えられないことですが、放課後に同級生と徒党を組んで、自転車で遠出をしたこともあります。子どもの走る距離なので大したことはないのですが、「自分の力で遠くまで来た」という感覚がすこぶる爽快だったのを覚えています。
また、今は大人も我慢の時。
休みの日には出かけたり旅行に行くのを楽しみに日々の仕事を頑張っていたという方が多いかもしれません。
お出かけや旅の目的は、美味しいものを食べたり好きな人と出かけたりという事ももちろんあると思いますが、
「新しい世界の空気感にふれる」
ということが大きいと思います。
世界各国の空気感にふれながらお点前を拝見
先日、裏千家の外国人研修グループ「みどり会」の皆さまが、点前で世界をリレーするという催しをされていました。
*「みどり会」とは、裏千家前お家元・鵬雲斎大宗匠様が提唱なさっている「一碗からピースフルネスを」の理念の下、世界各国から裏千家に集った海外研修生の方々の会です。卒業後は皆さんがそれぞれの国でお茶の心を伝えています。
世界を11のZoneに分け、20時間という長い時間をかけてリレーしており、世界中のお茶人のお点前を家にいながらにして拝見することができます。
The Midorikai Alumni OneWorld Chakai online
https://www.facebook.com/UrasenkeMidorikai/https://www.facebook.com/UrasenkeMidorikai/
お点前に参加したお茶人の地域(ごく一部)
シドニー(オーストラリア)
京都(日本)
シンガポール
モスクワ(ロシア)
ワルシャワ(ポーランド)
ロンドン(イギリス)
サンディエゴ(アメリカ・カリフォルニア州)
トロント(カナダ)
オースティン(アメリカ・テキサス州)
ハワイでは見渡す限りの海をバックにアロハシャツ姿で美しい立礼のお点前をされている方もおられます。
(写真はイメージです)
今、日本もそして世界でも外出ができない状況ですが、家にいながらにして各国の世界感にふれながら、お点前を拝見できます。
生きた茶道英語 | お道具の説明も英語で
そしてお点前をしながら、あるいはお点前の後で、
心を込めてご準備なさったに違いない、床の掛軸やお花、香合。点前座のお道具やお茶碗について、丁寧に思いを込めてお話して下さいます。
それは主に英語ですが、各国のアクセントが感じられる、まさに生きた英語。
はじめての試み。慣れないZoomでのリレーといった事もあって、途中、事務手続き的な会話のやり取りもあったりしますが、そのやり取りすらも、お勉強になります。
勉強をしなきゃいけないと思いながら、ついついテレビやゲームを見てしまうお子さんにも、この難局が過ぎたら再び旅行に行って各国の人と交流したいと思っている大人の皆さんにも良い刺激になるかもしれません。
茶道を、お点前を学びたいという気持ち
日本の方だけでなく、世界各国の人種も国籍も異なる方々も深く学びたいと思うのは、茶道に歴史的な深さだけではなく、世界に通じる普遍性、精神性の深さがあるからだと思います。
その中には現代の困難な日常を静かに豊かに生きるヒントがたくさんあるはずです。
また、大好きな人、大切な人をおもてなししたいという気持ちもあるでしょう。
昨年入門された方に「海外の方に日本の茶道でおもてなしをしたい」という方がおられました。
もともと応援している大好きな海外ジャズバンドをいつか日本でおもてなししたい。
そのために、
- 40代で英語
- 50代で着物
- 60代で茶道
10年ごとに全く新しい分野にチャレンジ。
残念ながら現在はコロナの影響でお稽古が中断してしまっていますが、
その方の前向きな姿勢に私も学ばせていただくことも多く、ご一緒にお茶をさせていただくことも感謝しておりました。
茶道を通じて学ぶこと | 祈りを込めて
入門の割稽古の中で学ぶお茶碗の扱いや茶筅通し。
すでにお茶に親しんでいる方にはご存知の「い・の・り」がありますね。
お茶碗にまつわる所作の中に「祈り」が入っています。
*あれ?何だったけ?という方はぜひ割稽古で復習してみて下さい。発見できた時の喜びは大きいです。
「みどり会」の皆さまのお点前のリレーも祈りのうちに行われました。
お抹茶を点てる時に、今、前線で戦って下さっている方々、医療従事者の方々、私たちのライフラインを支えて下さっている全ての方々に、感謝の祈りを込めて。
お茶をいただく時、おしいただく時に、残念ながらこの難事で命を落とされてしまった方とご家族の方々のために、黙祷の祈りを捧げて。
そんな事、無力かもしれませんが、でも確かに「自分にもできる事」ではあります。
自分でできる小さな事を積み重ねていって心の平安を得ていく。
「コロナでお茶から離れてしまった」と思っていた期間が、実は自分の茶の湯の心を大切に育ててくれる土壌になるかもしれません。
皆さまどうぞお身体を大切になさってください。
引き続きご健康が守られますようお祈り申し上げます。
古川宗洋 拝
写真は「#一服リレー」の動画から。
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お軸は「閑坐聴松風」(かんざしてしょうふうをきく)。
お花は紫蘭(しらん)。
抹茶は宇治・奥西緑芳園「千代昔」。
茶碗は清閑寺焼。
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