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松平不昧より約100年早く茶道具の解説書を出版 | 土屋相模守政直(常陸国土浦藩主)

古川宗洋
古川宗洋
こんにちは。Way of Grace恵み茶会主宰&東京中野千秋庵Web担当の古川宗洋です。お茶のご縁で茨城県土浦市へ行く機会がありました。

茶道もお稽古が進んでいくとお道具のお勉強が必要になってきます。
茶入に茶碗、大名物に中興名物、伝来・・・答え方もスマートになっていきたいものです。

今年は出雲島根藩主・松平不昧公 没後200年ということで、各美術館で茶道具の展示が行われています。不昧公は現代に通じる茶道具の価値を定義づけした茶人としても有名です。(中興名物という言葉も考え出しました)


↑三井記念美術館

不昧公は『古今名物類聚(ここんめいぶつるいじゅう)』という茶道具の名称や図、寸法、所蔵者などを記した膨大な図録のようなものを編纂しています。

実は不昧公よりさかのぼること約100年前、常陸国土浦藩主であった土屋政直は『土屋相州茶器伝書』というやはり図録のようなものを編纂しています。


↑土浦城櫓門(やぐらもん) 関東に唯一存在する本丸の櫓門

小堀遠州の茶に傾倒した政直は「雲花亭」(うんかてい)という茶室も作り、茶道具も収集。幕府の要職にも就いて(大坂城代、京都所司代を経て老中)、将軍家から名物茶器も与えられます。

このコレクションが「土屋蔵帳」と呼ばれ、松平不昧公が『古今名物類聚(ここんめいぶつるいじゅう)』で定義した中興名物の茶入だけでも65点が入っています。

例えば

中興名物 瀬戸凡手(およそで)茶入 銘 撰屑(えりくず)
(根津美術館蔵)

『土屋相州茶器伝書』も『古今名物類聚(ここんめいぶつるいじゅう)』に比べると規模は小さいですが、名称・図・寸法・付属品・所蔵者など350点の茶器について詳細に記してあります。

土屋相州茶器伝書は土浦市立博物館に展示されています。
(クリックすると土浦市立博物館のページに飛びます)

【大名茶人比較:土屋政直と松平不昧】

土屋政直 松平不昧(治郷)
1641-1722 1751-1806
常陸国土浦藩主 出雲松江藩主
相模守 / 大坂城代・京都所司代を経て老中
茶人としての号は「宗納」
『土屋相州茶器伝書』編纂(350点) 『古今名物類聚(ここんめいぶつるいじゅう)』編纂 (980点以上)
土屋蔵帳 雲州蔵帳

松平不昧公も小堀遠州の茶を敬慕しました。

また『古今名物類聚(ここんめいぶつるいじゅう)』は『土屋相州茶器伝書』を参考にしたとも言われています。

どちらも詳細な絵や寸法が細かく書いてあり驚かされます。

このお二人の大名茶人のおかげもあって今の時代に私たちが美術館でお道具を鑑賞できたり、お道具のお勉強をできたりすることができるのかもしれませんね。

写真は土浦城があった亀城公園です。土浦市立博物館は亀城公園に隣接しています。

西櫓から見た土浦の新緑

「心和得天真」

(心和やかなれば天真を得る)

土屋家10代 土屋寅直 一行書
〜土屋市立美術館蔵〜

本日もこのような気持ちでお茶にのぞみたいですね。

【参考図書・参考展覧会】
・『奥秘にも使える名物茶入の伝来と逸話』(青木準子 編著/世界文化社)
・『没後200年 大名茶人松平不昧』(三井記念館・島根県立美術館・NHKプロモーション 編集/NHKプロモーション)
・『没後200年 大名茶人松平不昧 図録別冊 御茶器帳(雲州蔵帳)』(富田淳監修・藤間寛編集/NHKプロモーション)
・『淡交別冊 松平不昧公 茶の湯を極めた松江の名君』(淡交社)

▼三井記念美術館 「没後200年 | 特別展 大名茶人 松平不昧 -お殿さまの審美眼」 〜6月17日まで
http://www.mitsui-museum.jp/exhibition/index.html

▼没後200年 「大名茶人 松平不昧と天下の名物ー「雲州蔵帳」の世界」 〜6月17日まで
http://www.ebara.co.jp/csr/hatakeyama/exhi2018spring.html

▼土屋市立博物館 「2018年度春季展示」 〜6月24日まで
http://www.city.tsuchiura.lg.jp//page/page011048.html

▼以下の書籍はこちらからも購入できます▼

『奥秘にも使える名物茶入の伝来と逸話』(青木準子 編著/世界文化社)


茶入だけではなく天目茶碗についても伝来や逸話、仕覆についてもコンパクトにまとまっています。和装バッグに入るサイズで持ち歩きやすいところもおすすめです。
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『淡交別冊 松平不昧公 茶の湯を極めた松江の名君』(淡交社)

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