裏千家茶道では4月といえば透木釜(すきぎ釜)。
初釜を迎えた1月から、大炉の2月、釣釜の3月、そして透木の4月。
年明けから季節の点前をたくさん楽しんできました。
この記事の目次
4月前半のお稽古 | 透木
4月も中旬を過ぎれば気候が温暖になってきます。
炉の火がお客様にとって暑く感じられないか、目に暑く見えないか、そんな心遣いから釜は平たい羽のついたものを用います。
その羽で炉の火を覆うような形になります。
透木(すきぎ)は小さな拍子木(ひょうしぎ)のようなもの。
釜の羽で炉の火を覆いかぶせるようにかけるということは、空気が通りにくくし火のおこりも悪くさせてしまうおそれがあります。
そこで炉縁と羽の間に透木を入れ空気が通るようにします。
火がおこり湯はちゃんと沸くけれども、お客様が暑く感じるような心もちにさせない。
そんな気遣いの工夫です。
春ですね。
4月後半のお稽古 | 立礼
4月最後のお稽古は初夏を感じさせる設えでした。
お茶会に行くと良くお目にかかる立礼(りゅうれい)のお点前です。
後炭・薄茶・濃茶とお勉強。
【立礼の点前 | 茶道の単語】
立礼式(りゅうれい式)はテーブル&椅子スタイルの点前です。
明治時代に日本に来訪する外国人観光客のために考案されました。
考案者は裏千家11代お家元玄々斎精中(げんげんさいせいちゅう)です。
千秋庵の社中にはご自分でお茶会の席主をつとめる方もおられます。
立礼はゴールデンウィークの新緑の中でも良くみる呈茶のスタイル。
半東の動きから詰めの動き、お客様の数が多い場合、少ない場合と亭主側のシュミレーションに皆さん真剣です。
軸は「露堂々」
花は鉄線、自然の色が本当に美しいですね。
主菓子は「藤浪きんとん」
干菓子は「若楓」と「卯の花垣」でした。
千秋庵の庭にも卯の花が。
紫蘭(しらん)は毎年力強く群生します。
懐石のあしらいに使える山椒も元気いっぱい
慌ただしい東京のなかにあって庭の木に集う小鳥のさえずり。
そのなかでいただくお抹茶はまた格別でした。
新緑の美しい季節、どうぞ皆さまお楽しみください。