東京中野千秋庵

令和4年3月お稽古日誌 | 出会いと別れの春を感じさせる釣釜(裏千家茶道教室東京中野千秋庵)

令和4年3月 裏千家茶道教室 東京中野千秋庵のお稽古場では釣釜が懸けられています。

かすかに揺れる風情に春を感じる釣釜(つりがま)。

三寒四温の季節の中で、出会いと別れに人の心も揺れ動きます。

今年も、3月前半は国立大学の前期日程の合格発表。

お勤めされておられる方には内示の季節…と何だか落ち着かない日々です。

そんななか、東京中野千秋庵でも、

  • お子さんが見事 東京大学に合格された

という嬉しいご報告から、

  • 内示で遠くに行くことになってしまった

など…私どもにとっても寂しいお知らせもありました。

揺れる釣釜とお弟子さん方の悲喜交交が重なり

「あぁ釣釜の季節がきたなあ」としみじみと感じます。

裏千家茶道では3月から懸けられる釣釜

茶道 裏千家 釣釜*クラスの入替の時に撮られた写真です。

裏千家茶道では3月から釣釜が懸けられます。

釜は細くて長めのものになり、東京中野千秋庵3月前半のお稽古でも雲龍釜(うんりゅうがま)を用いました。

こちらの雲龍釜の蓋は「掻き立て鐶」となっており、釜の蓋を開ける時にはお弟子さん方は皆さん苦労していました。

鎖の扱いを学ぶ釣釜の炭手前

茶道 釣釜 炭手前

釣釜は天井の蛭釘(ひるくぎ)から鎖を吊るして釜をかけます。

*四畳半以下の小間にはごく侘びた「自在」を用います。

釣釜の炭手前では鎖の扱いがポイントになります。

今年も炭手前のお稽古をしています。鎖の「大あげ」「小あげ」などを行います。

茶道 釣釜 炭手前皆さん真剣です(写真は降幡宗惠クラス)

裏千家茶道準教授
古川宗洋
裏千家茶道準教授
古川宗洋
茶の趣きのある料亭などに伺った際にはぜひ天井を見上げてみてください。

蛭釘があると「あぁ 釣釜もされているのだなあ」などと気付いて面白いですよ。

点前座には徒然棚

茶道 裏千家 徒然棚
3月前半のお稽古では点前座に「徒然棚」(つれづれだな)のしつらえ。

「業平菱」(なりひらびし)の透かしがあり、別名「業平棚」(なりひらだな)とも言います。

裏千家第14代お家元 無限斎碩叟(むげんさいせきそう)宗室 さま(淡々斎)のお好みです。

*本歌の徒然棚には中央の引戸に淡々斎さま自筆の「磯馴松」(そなれまつ)が描かれています。

上段が袋棚になっており、薄茶器を入れて戸を閉めておきます。

茶道 裏千家 徒然棚

引戸を開けると「春草に蝶蒔絵」長棗があらわれます。

薄茶器を出し入れする時には、お客様に襖の裏側が見えないように開け閉めをするのがポイントです。

鹿皮の垂引手をもつ手の加減でスーッと上手く引くことができます。

炉のみに用いられる棚で、東京中野千秋庵では3月に使うことが多いです。

3月前半のお菓子は「糊こぼし」(春色バージョン)でした

3月前半の主菓子は「糊こぼし(春色バージョン)」でした。

今年は3月12日(土曜日)がちょうど奈良東大寺二月堂の「お水取り」。

ちょうどお稽古と重なったので、お菓子屋さんとご相談させていただき、春らしいお色味で作っていただきました。

茶道 和菓子 糊こぼし

茶の湯菓子専門 吉祥寺 亀屋萬年堂 さま製です。

「糊こぼし」は本来、東大寺のご開山
良弁(ろうべん)僧正さまの像をまつった「開山堂」の庭に咲く椿です。

赤い花に白い斑点が美しい椿ですが、

東大寺で行われる「花ごしらえ」の日にこの椿に模して作られる造花が有名かもしれません。

奈良 東大寺 二月堂
東大寺二月堂を訪れた時の写真です(撮影2021年11月)。

奈良東大寺の二月堂でお松明をもったお坊さんが駆ける姿はご覧になった事があると思います。

奈良 東大寺 二月堂(撮影2021年11月)

「お松明」とも呼ばれる「お水取り」は「修二会」(しゅにえ)と言い、正式名称は「十一面悔過(じゅういちめんけか)」と言います。

二月堂のご本尊である十一面観世音菩薩さまの前で、懺悔(さんげ)することを意味しますが、

3月12日の深夜(13日の午前1時半頃)には「若狭井」(わかさい)という井戸から観音さまにお供えするお水を汲み上げる儀式が行われます。これが「お水取り」です。

奈良 東大寺 二月堂夕暮れの奈良の町(撮影2021年11月)

「お水取り」が行われると奈良に春が来ると言われます。

春色の「糊こぼし」お菓子で東京中野千秋庵にも春がやってきたようです。

茶道 干菓子 春

干菓子も春らしい「つくし」(有平糖)と「蝶々」(和三盆)でした。

ようやく梅も満開となりました

「春告草」(はるつげぐさ)とも言われる梅は百花に先駆けて花を咲かせると言われますが、

東京中野千秋庵にある紅白の梅の木は今年は咲くのが遅く、3月前半のお稽古でようやく満開になりました。

梅 銘 春告草 梅 銘 春告草

お弟子さん方が満開になった事に気づき、縁側から見上げている姿をお見かけすると嬉しくなります。

「梅に鶯」と言いますが、千秋庵によくきているのはメジロだと思われます。

よくイメージされる鶯色に近い色をしているので間違いやすいですが、鶯(ウグイス)は警戒心が強くなかなか現れないようです。

梅の木は6月になれば実も収穫できます。その喜びもお弟子さん方と分かち合うことができるでしょう。

楽しみです。

梅 銘 春告草こちらは枝垂れ梅

出会いと別れの春。

笑顔の方も寂しい気持ちの方もぜひ心を落ち着けてお抹茶を点ててみてください。

進学や新しい場所への移動には諸々準備しなければならない事もあり、きっとお忙しい事でしょう。

目が回りそうになった時には、点前座で居ずまいを正す時の一瞬の呼吸を思い出してみてください。

皆さまのご多幸を心よりお祈りしております。

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