東京中野千秋庵

令和3年辛丑歳のご挨拶(裏千家茶道教室 東京中野千秋庵 / Way of Grace 恵み茶会)

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

昨年から始まりました様々な変化。
激変ともいえる環境の変化に戸惑いながらも、新しい歳を迎えられた方も多いかと存じます。

写真は36年前、昭和60年(1985年) の乙丑(きのとうし)歳に造られました唐津の丑香合です。

干支香合 唐津 香合 丑

どっしりと構え、こちらを見て「さてお前は何をするのじゃ」と問いかけてくるような感じがいたしませんか?

緊急事態宣言の発令により、当方の初釜(初稽古)は中止となりました。
しかし、例年通り設えはしております。

裏千家でもお茶をされ晩年京都に茶室「真々庵」を構えられた
松下幸之助氏は「牛歩」という言葉を使っておられます。

「一歩一歩、牛歩であっても進んでいかねばならない」

茶道修行もしかり。
時代や環境の激変のなかでも、自分にできることを着実にしていけると良いですね。

と同時に、心穏やかにお茶にふれてほっとする。そんな一瞬が本当に大切になる一年となりそうです。

ぜひ日常でもお茶を召し上がっていただきたく思います。

ちなみに、松下幸之助氏はもちろん、
裏千家前お家元・鵬雲斎大宗匠さまも戦後は果敢に新しい世界、海外へと向かっていかれました。

令和3年度の裏千家茶道お家元指導方針は7つ。

その一つには、

「時代に適応した茶道人を目指す
〜デジタル化社会に適した一碗の交流を心掛けよう」

とございます。

古きを守り倣いつつ、新しい時代に適応していく。これもまた大事なことだと思います。

本年は、オンラインで集い楽しくお勉強していく機会も設けていきたいと存じます。

私どもにとりましても新しい学びの機会です。

皆さまにとりまして「お茶にふれてほっとひと息できる」。そんな機会になりましたら嬉しいです。

12年後の丑歳、どのような未来になっているでしょうか。
自分にできる事で、少しでも楽しい未来になっていると良いですね。

末筆ではございますが、
皆さまのご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。

令和3年辛丑歳
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Way of Grace 恵み茶会

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唐津
十三代中里太郎右衛門 造