イベント報告

【ご報告】東京国立博物館 秋の紅葉に色づく庭園内茶室「九条館」にて千秋庵吟風茶会を致しました。

去る平成30年11月25日(日曜日)、
東京国立博物館 秋の紅葉が美しい庭園内、
歴史ある九条館にてお茶会をさせて頂きました。



当日は天候にも恵まれ、お客様と和やかな時を共にできました事を深く感謝申し上げます。

こちらのページではお茶会のご報告をさせて頂きます。

お茶会概要

[日時]平成30年11月25日(日曜日)
10:30~(濃茶・薄茶)
12:30~(濃茶・薄茶)
14:30~(薄茶のみ)

[場所]東京国立博物館 庭園内茶室 九条館
[席主]裏千家直門 正教授 降幡宗恵

東京国立博物館の由緒ある歴史的建造物「九条館」でなされるお茶会


九条館は、藤原五摂家の一つ九条家の母屋でした。

藤原五摂家とは
藤原家の流れをくみ、摂政・関白になることができる一族。
一条家・二条家・九条家・鷹司家・近衛家

江戸時代に建立され(正確な時期は不明)もともと京都御所内にあったものです。 書院造りの床にある豪華絢爛な狩野派の著色山水画も建築時に描かれたとされ、本物です。

明治に入り九条家も東京に移り住む事となりこの建物も赤坂に移築されました。そして昭和9年に東京国立博物館に寄贈されました。

ゆうに160年以上は経っている建物になります。

九条家の家紋「九条藤」のモチーフも至るところに使われています。


藤花菱


藤花菱がかたどられた花梨(かりん)の一枚板の欄間。


九条館はフラッシュ撮影禁止です。写真はフラッシュなしで撮影した後に編集して明るくしています。

東京国立博物館 九条館 「千秋庵吟風茶会」薄茶席


軸は「和を以て貴しと為す」
聖徳太子が建立された法隆寺(斑鳩 いかるが)125代貫主様であられる間中定泉(けんちゅうじょうせん)さまのお筆です。


備前・緋襷(ひだすき)の琵琶香合。
琵琶は聖徳太子がご活躍された7世紀頃中国から日本に入った楽器とも言われております。


青磁の花入に白妙蓮寺椿と錦木

薄茶器は山中塗で初代・和田瑾斎(きんさい)

初代・和田瑾斎(きんさい)は、「金沢最後の文人(ぶんじん)」とも言われた細野燕台(えんたい)と親交 、

そこから北大路魯山人(きたおおじろさんじん)にも通じていくわけですが、

加賀の伝統文化・漆工芸の継承にとても力を果たされたそうでございます。

瑾斎(きんさい)という号も、

私ども裏千家 第14代お家元・無限斎碩叟宗室(むげんさいせきそうそうしつ / 淡々斎)から与えられ、

この大棗の蓋裏にも第15代お家元であられました鵬雲斎大宗匠の花押(かおう)がございます。

茶杓は大徳寺510世 高桐院のご住職であられた上田義山和尚さまのお手作り。

高桐院さまといえば竹の景色がとても見事ですが、この度の茶杓も高桐院さまの竹で作られております。ところどころ黒味があるのが高桐院さんの竹の特徴だそうです。


大徳寺高桐院

高桐院には細川ガラシャさんのお墓とされるものがありますが、

上田義山和尚さまは、時には聖書の話なども持ち出して分かりやすくお話をしてくださる方だったそうでございます。

本日のお茶杓も、禅宗のお坊さまから頂いた銘にしては珍しいご銘を頂戴しておりまして、善悪の「善」に「恵」と書いて「善き恵み」という銘を頂戴しております。

善き恵み

東京国立博物館 九条館 「千秋庵吟風茶会」濃茶席


扇は、私ども裏千家第16代坐忘斎御家元筆「松風傳古今」(しょうふうここんにつたう)。

少なくとも160年以上の歴史をもつ九条館、古の由緒ある方々と同じ空間で、当日ご参集いただきましたお客様と共にお茶を楽しませて頂きました。


根来塗の炉縁に人間国宝・高橋敬典造の霰鉈釜(あられなたがま)。

お菓子 | 銘「吟風」のゆり根きんとん(茶の湯菓子 吉祥寺の亀屋萬年堂製)


ゆり根きんとん 銘「吟風」

今年も当日の朝に茶の湯菓子 吉祥寺の亀屋萬年堂様のご主人自らお届け下さいました。


紅葉の味噌せんべいに敷松葉の州浜(すはま)

「善き恵み」のこの日に

「和を以て貴しと為す」は、ただ仲良くしなさいよ、という意味ではないそうです。

年齢を超え立場を超え互いに尊敬し合い議論をしてより良いものを生み出していく。そうしてこそ本当の和が生まれるとのこと。

茶道の「和敬静寂」の精神にも繋がるものかと思います。

この度の席主・降幡宗惠 座右の銘でもあります。

私どもは裏千家ですが、当日は他の流派の方もお見えになりました。また、中にはお茶席が初めてという方もおられました。長年裏千家でお茶を学んでいる海外の方もおられました。

お天気にも恵まれたこの日、
歴史を超越した由緒ある九条館にて
年齢を超え立場を超え国境を超えて
皆さんでお茶を共にできました。

まさに薄茶席の茶杓の銘「善き恵み」を与えられました気持ちでございます。

改めましてご多用のなか、お足をお運び下さいましたお客様に深く感謝申し上げます。
また御目文字致したく、今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。

皆さまの益々のご多幸を心より祈りつつ、、、

東京中野千秋庵社中一同
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