先日、遅い夏季休暇で沖縄に行き、人口750人くらいの離島で約1週間を過ごさせて頂きました。
渡嘉敷島(とかしき島)

渡嘉敷島は那覇から西へ約30キロ、慶良間諸島(けらま諸島)に浮かぶ島です。
「ケラマブルー」と言われる海は透明度が高く、ダイビングスポットとしても世界的にも有名。2014年には「慶良間諸島国立公園」にも認定されました。

この記事の目次
正座時の「丹田を意識する」が海底でも役立ったお話
この島でダイビングの公式ライセンスを取得する事になったのですが、潜水する時、バランスが悪くなりがちな海底で身体を一定に保ちたい時、意外と役に立ちましたのがお茶の正座でよくする「丹田を意識する」でした。
お茶をしている時に、何も考えずに正座をしていると体重はどうしても足にかかり、足がしびれたり痛くなったり致します。しかし、意識して丹田に力を入れるようにしていると、重心は上の方に来て、全体重が足にかかる事はありません。

丹田に力を入れ、背筋を伸ばし、あごを引き気味にすれば、正座の姿形が美しいばかりではなく、
体重が足にかかりすぎていないのでスッと立つ事もできます。
また丹田に力を入れると呼吸も落ち着き、精神も安定します。
体験ダイビングと違い、世界共通の公式ライセンスを取るダイビングは、非常事態の緊急訓練ばかり。
・海底で空気がなくなった場合
・海底で「レギュレーター」という空気を送るホースが口から外れてしまった場合
・海底でマスク(水中メガネ)が取れてしまった場合
など、苦しくパニックに陥りがちな状況も、精神が落ち着いて入れば慌てずに対処できます。
さらに、水深10mで膝立ちをして丹田を意識して呼吸をしているとゆったりリラックスした状態に。

神秘的な海の中で過ごす経験は贅沢で時を忘れるほどでした。
(しかし訓練ですので残圧計=自分の活動に後どれくらいの空気が残されているかのチェックは怠る事なくです)
渡嘉敷島の花々
↑ムクゲに似た形ですが、花弁が先端に集中しているのでやはりハイビスカスかと。

↑浜昼顔の一種でしょうか。関東で見る浜昼顔と違って、花の色も葉の色も何というかとても澄んだ色をしています。
↑合歓木(ネムノキ)と似ていますがこちらはメキシコ原産の「銀合歓(ギンネム)」。島にたくさんありました。
2冊組で計10cmくらいの太さがある『茶花大事典』(淡交社さま)ですが、南国の離島にある花はあまり掲載されていませんね。
ですが「旅先で見たあの花は何かしら?」と花入や他の草花との取り合わせを考えるのも楽しいものです。
『新版 茶花大事典』(塚本洋太郎 監修 淡交社)
B5版・上下巻2冊セット
(上巻カラー632ページ・下巻カラー624ページ)
2014年に発行された新版の茶花事典です。
掲載されている茶花は約1800種。上巻(1月〜6月)と下巻(7月〜12月)に分かれているボリュームある事典ですが、
1つ1つの花の項目に取合せにおすすめの花や花入が記載されていたり、巻末に「似た花の見分け方」などがまとめられており、かゆい所に手が届く心にくい事典となっています。
巻末に「茶花の心得」として花入や薄板、水揚げの方法、掛物と花入を置く位置など茶花に関する知識もまとめられています。
▼こんな方におすすめ▼
・茶花の勉強を本格的にしたい方
・茶花が好きな方
・お稽古場をもっていて毎月の茶花に困っている方
静かに散歩する朝の時間。
阿波連ビーチからちょっと離れた島はその名も「離島(ハナリ島)」。

下の写真は阿波連小学校。この広大な敷地に1年生から6年生まで20名ほど、職員10名ほど(学校のホームページより)。
ビーチ沖800mにある「離島(ハナリ島)」まで全児童が(!)遠泳するそうです。島の子たくましい!
滞在中は一輪車の練習を一生懸命している姿を良く見かけました。

茶道はシンプルです。そして島は時間そのものがシンプルでした。

普通の観光をしようとしてもお茶的に気になるところについ足を止めてしまいます。
さて(私にとりまして)過酷な訓練、しかしやはり楽しい島の時間。
毎日お天気は良かったのですが、島の方から「台風22号が近づいているよ。波が高くなると船が欠航して島に缶詰になるよ」と教えて頂きました。
そこで予定を一泊早めて渡嘉敷島を離れ、那覇で一泊する事に。
↑那覇から渡嘉敷島へはフェリーで約70分、高速船で約30分です。
那覇はやはり都会です。
全くノープランだった那覇を散策。やはり地元の食材や人に出会って見たいという事で第一牧志公設市場へ。

カラフルなお魚が並びます。

さて、ここまでが普通の観光だと思うのですが、お茶をしている人間として思わず足をとめてしまうのが、
呉服屋さん
沖縄のお着物の様子
店頭には単(ひとえ)のお着物が。

お店の方が教えて下さいました。
お着物については昔は厳しかったのですが、最近はゆるくなり、
だいたい
- 1月から3月は袷(あわせ)
- 3月か4月から単(ひとえ)
- 5月から9月は絽(ろ)
- 10月から12月は単(ひとえ)
とのこと。
やはり関東と比べると単と絽の期間が長いのですね。
沖縄の織物や染物も素敵。次回はゆっくりと拝見させて頂きたいと思いました。
沖縄ならでは「紅芋練り切り」
呉服屋さんの前にはお菓子屋さんも。
上生菓子は季節の意匠が。

その中で関東では中々お目にかかれないのが
紅芋の練り切り(御菓子処 末廣製)

まろやかで甘すぎず上品なお味です。もちろんお抹茶との相性も◎。
紅芋饅頭も中々お目にかかれませんね。

▼「御菓子処 末廣」さま
住所:那覇市松尾2-7-20
電話:099-863-5630
営業時間:午前9時〜午後7時半(日曜日は午前9時半〜午後5時)
※正月・旧盆はお休み
▼「京呉服 ふみ屋」さまはその前。
いずれも第一牧志公設市場そばにあります。
沖縄の伝統工芸
沖縄には琉球漆器や壺屋焼、首里織などの歴史ある伝統工芸品があります。
沖縄の茶席でどのように用いられるのでしょうか。気になるところです。
【沖縄の伝統工芸・人間国宝】
壺屋焼:金城次郎氏
首里織:宮平初子氏
琉球びんがた:玉那覇有公氏
壺屋焼
↑滞在したホテルで

↑牧志公設市場で
今回は離島でずっと過ごす予定でしたので実現できませんでしたが、次回は沖縄の焼き物や琉球漆器などをゆっくり楽しむ旅もして見たいと思います。
【沖縄の伝統工芸をお勉強する場所】
那覇市伝統工芸館
https://kogeikan.jp/
壺屋焼物博物館
http://www.edu.city.naha.okinawa.jp/tsuboya/
沖縄県立博物館・美術館
https://okimu.jp/
お茶の楽しみは旅先でも
旅先で出会う着物やお菓子、陶磁器や漆器などなど。
楽しみの間口が広いのもお茶の良いところです。
また自分の茶席で使えそうなお道具を見つけるのも楽しみの一つ。旅先で見つけた籠を花籠に見立てたり、ガラスの器を水指や薄器に見立てて見たり、あれこれ考えながら旅先で散策できるのも、お茶をやっていればこそ。
↑宗洋自宅にて。
渚棚にギヤマン(義山)の水指、青海波のお棗に蟹の蓋置を合わせれば気持ちはビーチへ。関東でも蒸し暑くなってくる6月の終わり頃から楽しみたい取り合わせ。
地域ごとに文化や伝統があり、茶席の趣向やお料理・お菓子も様々だと思います。
旅を楽しみながらお茶も楽しむ。
旅先でも2倍に楽しめてしまうのもお茶の醍醐味かもしれません。
沖縄でもお茶事で懐石に琉球漆器に琉球料理という事もあるそうです。いつか沖縄での茶席にお邪魔させていただく機会が与えられましたら本当に嬉しいです。
旅先で出会ったご縁に感謝しつつ・・・
失礼致しました。
古川宗洋拝
▼裏千家の全国稽古場案内。沖縄県には9つのお稽古場が掲載されています。
(もちろん東京中野千秋庵や横浜山手町GREENHOUSEも掲載されています)
http://www.urasenke.or.jp/textb/keikoba/index.php
▼旅先で現地の陶磁器や漆器などの工芸品、染織、人間国宝などがすぐに調べる事ができます。便利でコンパクトな一冊。
『必携茶湯便利帳〔改訂版〕』(宮下玄覇編 宮帯出版)
茶の湯の辞典をコンパクトにしたような驚くべき1冊です。幅広く奥が深い茶の湯の知識を1冊にまとめています。これだけのものがわずか「16.5cmx8.9cmx1.3cm」の携帯できるサイズです。お稽古に向かう時には銘や利休百首をチェック。帰りにはその日のお道具をチェック。お茶会の旅先に持って行くのも良いかもしれません。
▼こんな方におすすめ▼
・茶の湯の知識を1冊にまとめたコンパクトな本がほしい
・お稽古やお茶会の行き帰りにチェックできるコンパクトな1冊がほしい
・お道具など自分の茶の湯に関しての知識を整理したい
Way of Grace 恵み茶会では、現在
入門者の受付をしております。
(裏千家準教授 古川宗洋クラス)
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真剣でありながらも笑顔が絶えないお稽古場。時にほっこり。時にスパルタ。
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