和菓子

【5月】茶道で楽しむ季節の和菓子 | 端午の節句に始まり新緑を感じながらいただきます

柏餅 端午の節句 和菓子

新緑の5月です。

茶席も初風炉となり、設えもさることながら、柄杓や蓋置、炭に至るまで寸法が小ぶりとなり、何となく軽やか。

炭のサイズも炉と比べてグッと小さくなってお稽古場では驚くこともあるかもしれません。

端午の節句に始まる5月は色とりどりの花に恵まれる季節でもあります。

和菓子も行事の菓子だけでなく、花を意識したものが多くあります。

5月とはいえ、紫外線の量は8月と同じ。久しぶりの太陽に疲れると、ツルンとした冷んやりしたお菓子も食べたくなります。

こちらの記事では、そんな5月の和菓子を簡単なエピソードと共にご紹介していきます。

*随時更新してまいります。

柏餅 〜端午の節句〜

柏餅 端午の節句 和菓子

端午の節句には柏餅(かしわもち)と粽(ちまき)が欠かせないと言われています。

柏餅の「柏(かしわ)」の葉は枯れてもすぐには葉が落ちず、新芽が出るとようやく落ちます。

このことから家系が途絶えない縁起物とされました。

江戸時代には男子が家系を継いでいましたから、男児の縁起物として喜ばれるようになったとか。

健やかにいてほしいという願いは今も一緒ですね。

健やかにありたいという思いも一緒です。

疫病を睨んでくれる兜(かぶと)のお茶碗でお抹茶とともにいただきました。

錦粽 | とらや赤坂店限定

錦粽 とらや 端午の節句

粽(ちまき)は古くは中国から伝来しました。

中国でも端午の日に粽を食べる習慣があったそうですが、
ある悲しい伝説に由来します。

大昔、まだ中国が秦によって統一される以前、
「屈原」(くつげん)という名前の王族がいました。

妬みによって左遷されてしまっった屈原は、なんと5月5日に河に身を投げて死んでしまったそうです・・・

悲しんだ人々が亡骸が傷つかないようにと粽(ちまき)を河に投げ込んだ、

あるいは後日、屈原の霊が現れて、食べ物を甘い香りのする栴檀(せんだん)の葉で巻いたものを供えるように言われ、それが粽(ちまき)になった、などと言われています。

のちに中国で食べられていたのは、肉や栗などの具材を入れてもち米を炊いたものを、葦(あし)の葉で包んでいたようです。今で言うと中華料理屋さんで食べるチマキのようなものだったのかもしれませんね。

日本でも平安時代には宮中で厄除けとして用いられ、邪気を払うとされる笹で巻かれています。

とらや赤坂店限定の錦粽(にしきちまき)は紅白の紐で笹を巻いています。
はっきりとした紅・白の色組がより邪気を払ってくれそうです。

笹の中には可愛らしいピンクと白が捻ってある外郎生地。
「玉襷」(たまだすき)という銘がついています。

錦粽 とらや 端午の節句

五月晴れ | 鶴屋吉信

五月晴れ 和菓子 鶴屋吉信

旧暦5月はちょうど梅雨の時季。
「五月晴れ」とは本来は「梅雨の晴れ間」のことを言うのだそうです。

鯉幟の鯉ですが、
中国には「登竜門」という逸話があります。

中国黄河の中流にある急流を「竜門」と言ったそうですが、
この「竜門」を登ることができた鯉は龍になるのだそうです。

そこから「登竜門」とは立身出世のための関門。

鯉幟も男児の立身出世を願うものですが、青空にたなびく姿は気持ちが良いです。

鶴屋吉信さんの「五月晴れ」は、柔らかい生地の中に白あんと求肥がたっぷり。心もお腹も満たされる幸せな一品です。

五月晴れ 和菓子 鶴屋吉信

岩根つつじ | 茶の湯菓子 吉祥寺 亀屋萬年堂

主菓子 岩根つつじ 亀屋萬年堂(令和6年5月撮影)

春には優しい色が心を和ませてくれますが、濃い目の明るい色は夏に向けて気持ちを切り替えてくれます。

岩根つつじは、岩根に咲く鮮やかな躑躅を見つけた時に感じる初夏の喜びが表現されているかのようです。

落とし文 | 茶の湯菓子 吉祥寺 亀屋萬年堂

落し文 和菓子 主菓子 (撮影 2022年5月)

東京中野千秋庵のお稽古にお届けいただきましたお菓子です。

自然界にあってはオトシブミという昆虫のメスが、栗や楢(ナラ)、櫟(クヌギ)などの若葉をくるりときれいに巻いて、その中に卵を産みつけます。

幼虫にとっては食べるものに事欠かない快適な巣。ネバネバの分泌物なども出さずにきれいに巻いてあるその細工は見事。

昔の人は小鳥の仕業だと思って「時鳥の落し文」「鶯の落し文」などと名付けました。

人に自然と読んでもらうことを期待しつつ落とす文。ロマンチックですね。

広沢 | 茶の湯菓子 吉祥寺 亀屋萬年堂

主菓子 広沢 亀屋萬年堂令和6年5月23日 満月のお稽古日にお届けいただきました。

京都 嵐山の広沢池(ひろさわのいけ)、別名「遍照寺池」(へんじょうじのいけ)はお月見の名所でした。

竹水ようかん | 鎌倉するがや本店

和菓子 竹水ようかん するがや

新緑が眩しい光に輝いてキラキラしてくると、冷んやりとした食感の和菓子をいただきたくなります。

鎌倉は長谷寺から徒歩2分の鎌倉するがやさんは昭和12年創業。

高桐院の大仏さまをお詣りし、長谷寺から由比ヶ浜を眺め、少し喉が乾いた頃合いでこのするがやさんの「竹水ようかん」の看板を見れば入らずにはいられなくなります。

優しいお味は初夏の暑さにまだ慣れない身体を癒してくれます。

水ようかんが竹からスッと出てくる感触に懐かしい思い出がよみがえる方も多いのでは。

お茶の釜が掛かっておられる禅院も多い鎌倉です。機会があります方はぜひ。

和菓子 竹水ようかん するがや

お菓子屋さん一覧

こちらの記事でご紹介させて頂きましたお菓子屋さんの情報です。
皆さまのお役に立ちましたら幸いです。

*最新情報はお店にご確認ください。

お店とらや赤坂店
公式HPhttps://www.toraya-group.co.jp/toraya/shops/detail/?id=5
所在地東京都港区赤坂4-9-22
電話番号03-3408-2331
定休日毎月6日
駐車場あり(9台)

 

お店京菓子 鶴屋吉信
公式HPhttps://www.tsuruyayoshinobu.jp/shop/default.aspx
所在地全国にございます。詳しくは公式HPをご覧ください。

 

お店鎌倉するがや本店
公式HPなし
所在地神奈川県鎌倉市長谷1丁目-11-21
電話番号0467-22-1886
定休日水曜日
駐車場なし

 

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