*こちらの書籍記事は随時更新してまいります。
茶席の和菓子は単に美味しいというだけではありません。
茶席全体の趣向や背景などをふまえて、目でも楽しみ、銘を聞いて語感でも楽しむことができるものです。
日本の四季や古典など幅広い教養があってはじめて本当に楽しむことができる場合もあります。
王朝文化や茶道文化の上に成り立つ和菓子を知ることで、日本文化をより深く学ぶことができます。
そこで今回は、そんな文化的背景も学ぶことのできる茶席の和菓子の本を中心にご紹介したいと思います。お役に立ちましたら幸いです。
茶道は基本的に口伝によって継承されていくものです。お菓子の盛り付け方やいただき方など、分からないことやお聞きになりたいことは必ずまずご自分の師匠にお尋ねください。
この記事の目次
季節ごとに茶席の和菓子を紹介してくれる本
『今月使いたい茶席の和菓子270品』
淡交社編集局編
季節を代表するお菓子を全国のお菓子屋さんからセレクト。
お菓子一つ一つに季節を感じさせる瑞々しい文章が添えられており、読んでいるだけで茶席で感じる季節の移り変わりを楽しむことができます。
巻末には
- 裏千家歴代お家元の御好み菓子や
- 茶席の歳時記など
も掲載されており便利です。
『干菓子250 茶席からおもたせまで』
淡交社編集局編
老舗から新しいお店まで、茶席から手土産まで、干菓子器への盛り付け方も分かりやすく詳しく書いてあり、茶道初心者の方にもおすすめです。
読むことで茶道にも役立つ和菓子の本
『亀屋伊織の仕事―相変わりませずの菓子』
山田和市(著)/川勝幸(写真)/淡交社
これぞ京都と言う干菓子の老舗「亀屋伊織」さま。
干菓子はあくまでも薄茶の味を引き立てる「お抹茶のためのお菓子」。
この姿勢を貫き400年にもわたる伝統を守っています。
茶道にも通じる「相変わりませず」の精神が季節の干菓子と共に語られます。
『京・末富 菓子ごよみ』
山口富蔵(著)/淡交社
ただ食べて美味しいで終わるのではなく、
そのお菓子にまつわる歴史、文化的背景などを万葉集などの日本の古典から紐解いて解説をして下さっています。
京菓子司「末富」三代目の山口富蔵様が語ってくださる和菓子は、日本の大事な文化として語られており、後世に引き継いでいきたい貴重な内容です。
『和菓子を愛した人たち』
虎屋文庫(編集)
歴史上の有名な人物と和菓子の関係について一話完結型で読めるようになっています。
登場人物は茶人から戦国武将、作家までさまざま。
すでに知っている(つもりの)人物だったとしても、その方の和菓子への想いを通じてさらに新たな発見があるかもしれません。日本の歴史、歳時記、地域のお勉強にもなります。
コラムでは和菓子の歴史も体系的に学ぶことができます。
『食べるアートの世界』
濱崎加奈子(監修)/勝治真美(編集)/淡交社
京菓子と琳派。
和菓子と日本画という異なる分野でありながら、私たちはどちらにも自然と共に生きる繊細な日本人の美的感覚を感じます。
琳派と京菓子の作品を紹介しながら、王朝文化と茶道文化の長い歴史の上で培われてきた相互の関連性と日本文化の奥深さに迫る面白い一冊です。
『和の菓子』
本の構成(デザイン)が秀逸でデザインブックとも言える本。
眺めているだけでも楽しい、リビングに飾っておきたいような本です。
美しい写真と共に英語と日本語で解説が書かれており、海外の方へのプレゼントにも喜ばれるでしょう。
和菓子初心者におすすめの本
『和菓子のほん』 (たくさんのふしぎ傑作集)
中山圭子(著)/阿部真由美(イラスト)/福音館書店
子ども向けの絵本ということで、当然ながら、年中行事や和菓子の材料の解説も分かりやすいです。しかし内容は大人にとっても読み応え十分。
児童書の分類となっていますが、奥深い和菓子の世界を楽しめる大人にもおすすめの一冊です。
心強いシリーズ!淡交テキスト『茶席の菓子』(淡交社)
1ヶ月ごとに季節の取り合わせやお道具、茶道の教養について学ぶことができる「淡交テキスト」シリーズに和菓子もございます。
日本文化の総合芸術である茶道では学ぶことが幅広くあり、お勉強しなければならないことはたくさんありますが、
「今月は特にお菓子が気になるなあ」などと、思い立った時にはその月(季節)から学べるのが淡交テキストの良いところです。
『茶席の菓子』では、
- お菓子(主菓子・干菓子)に関するよもやま話、
- 作り方、
- 和菓子の材料についての基礎知識、
- 菓子の銘、
- 菓子器への盛り付け方、
- 食べ方(いただき方)
などについて
和菓子に特に精通した茶道家の先生方が解説して下さいます。
↓希望の月から学ぶことができます↓
手作り和菓子の作り方・レシピ本
ご自分で実際に作ってみたい!という方にご紹介いたします。
『はじめてでも簡単!やさしい和菓子』
松井ミチル(著)/主婦の友社
冒頭に和菓子作りに必要な材料や調理器具を分かりやすく記載してくれています。
家庭で楽しめる和菓子を掲載。
お菓子作り初心者も楽しめる本です。
『金塚晴子さんとつくる茶席の和菓子』
和菓子の肝とも言うべき基本の「あん」作りと「生地」作りを丁寧に解説。
DVDで勉強することができます。
「お菓子を自分で作るのはちょっと・・・」という方も、この本を通じて代表的なお菓子の作り方を押さえておくと、よりご亭主やお菓子屋さんのご苦労も分かり、お菓子もひときわ美味しく楽しめるかもしれません。
電子書籍としても読むことができる手作り和菓子の本
以下は電子書籍としても読むことができる本です。
お台所で作る際にタブレットやスマホ、パソコンなどでご活用ください。