*こちらのお稽古日誌は10月後半に加筆・更新させていただきます。
体育の日も過ぎた10月中旬、気温もグッと低くなり、朝夕も寒くなってまいりましたね。
東京中野千秋庵では、寒露を迎えた10月前半のお稽古から中置となりました。
風炉もいよいよ最後。
今年はあっという間に時が過ぎてしまったと感じる方も多いかもしれません。
そんな名残りの月に、今お茶ができますことを感謝しております。
お軸とお花
軸は「和を以て貴しと為す」
聖徳太子が建立された法隆寺(斑鳩 いかるが)125代貫主様であられる間中定泉(けんちゅうじょうせん)さまのお筆。
一昨年、東京国立博物館庭園内「九条館」での薄茶席でも掛けさせていただきました。
席中でお客様とお話させていただいたのが、まるで昨日の事のようです。良い時を与えていただき感謝しております。
お花は秋海棠に吾亦紅と藤袴。
中置
肌寒くなってきて、風炉を据える位置も少しだけお客様の方に。
【中置】
風炉を据える位置を少しお客様の方へ近づけて、点前畳の真ん中へ。
お客様には暖かい火を程よい距離で感じていただき、反対に水指はお客様から遠いところへ置きます。
水指は細水指となります。
定据の水指に比べて、少し心細い様子。
その姿が、ちょうど今の季節、ハラハラと散っていく葉を思わせるように感じることもありませんか。
寄せ香
10月は風炉の最後の月でもあります。
今年は本当にあっという間に時が過ぎた、と感じる方は多いのではないでしょうか。
初風炉を例年通り迎えられた方も少なかったのではないかと思います。
名残りを惜しみながら、古いお道具も少し欠けたお道具も大切に。
余ったものだって、捨てることはせずに丁寧に最後まで使っていこうという気持ちに特になりますね。
いわばブレンドされた香り。
何とも言えない甘い香りがほのかに香り、侘びた中にも豊かに胸が温まる。
そんな気持ちにさせてくれます。
鉄風炉・藁灰
そんな侘びの趣向の際たるものが欠風炉に藁灰かと思います。
お茶事という訳でもないし、お茶会でもないし…
しかし今、来週は来月は来年はどうなっているか分からない世の中でもあります。
こんな時だからこそ、普段のお稽古でも、「今この時だけ」のものを生徒さまにご覧いただきたく、
10月前半のお稽古では鉄の破風炉に、藁灰を敷いていきました。
後炭の風景
台風が来ていましたが、無事千秋庵に到着し、ご覧になった生徒さまは、感動しきり。
漆黒の藁に浮かび上がる赤々とした炭火が本当に美しく、
お稽古終わってもずーっと火を眺めておられる方も。
私共も、今年のこの炭火は忘れないと思います。
藁は社中の方からいただきました。
感謝申し上げます。
今月のお菓子
引き続き、個包装のお菓子を取り寄せております。
感染症防止対策の観点から、お稽古場でお召し上がりにならずお持ち帰りになる方がほとんどですので、お干菓子もお持ち帰りやすいようなものをお願いしております。
今月前半は、
- 「栗ようかん」
(信州小布施 竹風堂 製) - 「出羽の久寿 大菊」(でわのくず)(山形鶴岡市 港屋 製)
「出羽の久寿」 小菊
「出羽の久寿」(でわのくず)は、山形・庄内藩酒井家ゆかりの葛菓子。特産の葛でできています。
そのまま頂いても、お湯に溶かして葛湯にしても美味しい。
写真は、一緒に添えていただきました「小菊」です。有難うございました。
「出羽の久寿」 大菊
こちらは生徒さま用にお届けいただいた「大菊」。
本当に大きくてインパクト大です。
せっかくお持ち帰りになるのですもの。
家に帰ってからも色んな楽しみ方があって、
ご家族にも喜んでいただけますとこちらも嬉しいです。
五行棚
今月後半のお稽古は五行棚を予定しております。
また記事を更新させていただきます。