月が美しい季節、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
毎年、中秋の名月の頃になりますと、横浜三渓園では「観月会」というイベントが催されます。
ご存知の通り、三渓園は、横浜の実業家であった原三渓が歴史的建造物を移築をして造りあげた広大な日本庭園です。
園内にはお茶室もあり、お茶会で行かれた方も多いと思います。
お茶会で過ごす昼間の三渓園とは異なり、「観月会」では和の情緒たっぷりな幻想的な雰囲気のなか、音楽を聴きながらお月見をすることができます。
今年の観月会は10月4日(日曜日)まで。
いろいろな事があります年ではありますが、しばし月を眺め「穏やかな心でゆったりと過ごしたい」という方にはおすすめの場所です。
【2020年】
- 中秋の名月「十五夜」→10月1日(木曜日)
- 満月→10月2日(金曜日)
※「中秋の名月」は「十五夜」とも呼ばれていますが、これは旧暦8月15日の月のことを言い、実際の満月とは少しずれることもあります。
→横浜三渓園の観月会2020年は10月4日まで(公式ホームページ)
横浜三渓園「観月会」の見どころ
観月会の見どころは、和の情緒たっぷりな幻想的な雰囲気の中で、月を愛でることです。
園内の歴史的建造物はライトアップされ、プロの演奏家の方たちの音楽と、虫の音を聴きながらお月見をする事ができます。
重要文化財である「旧燈明寺三重塔」もライトアップされます。
竹林の向こうにはお茶室「蓮華院」が。
旧矢箆原家住宅でお供えされた月見だんごと秋草。
期間中の演奏は毎日異なり、今年2020年は、
9月30日(水) サックスとピアノで奏でる日本の唄世界
10月1日(木) 琵琶
10月2日(金) タゴールソング&シタール
10月3日(土) 2本の古典フルートと弦楽器で味わう「バロック〜古典の音楽」
10月4日(日) 和楽器アンサンブル(箏)
演奏会場は重要文化財である「旧燈明寺本堂」。中秋の名月「十五夜」であった10月1日は、薩摩琵琶による弾き語りとピアノとのセッションでした。
会場前でも聴くことができますが、三渓園大池の周辺では風にのって音楽が聴こえてきて、何とも良い雰囲気となります。
水面に映る月を愛でるのも素敵ですね。
(来年こそは水面に浮かぶ月を上手に撮りたいと思います…)
三渓記念館では「月尽くし」の文化財展示も
園内の三渓記念館では、原三渓さま(以降、敬称略とさせていただきます)の業績や芸術家支援の資料を展示している三渓記念館があります。
季節やイベントごとに、原三渓自身や三渓が応援してきた画家達の作品、三渓が収集してきた文化財が展示されています。
観月会に合わせて今回は、
「月尽くし」
の趣向となっています。
原三渓自身や、三渓が支援した下村観山、横山大観らの月見にちなんだ作品を鑑賞する事ができます。
原三渓は貴重な美術品を保存するだけにとどまらず、生かす事につとめました。
現在、三渓が収集した美術品のうち、国宝・重要文化財となっているものは30件以上と言われています。日本の美術品が海外へ流出するのを防いだと言われています。
重要文化財の「旧天瑞寺寿塔覆堂」。
ライトアップで昼間よりも桃山時代の豪華な彫刻をはっきりと見る事ができます。
三渓園でもそんな数々の古建築や作品を楽しむことができます。
さらに、若者を支援する事で芸術を保護。その若者たちは日本を代表する画家となっています。
三渓さん自身が手がけた書画も、唸らせるほど上手!(素人表現で申し訳ありません…)
ご自身にこれだけの才能があったからこそ、美術・芸術の世界で庇護者として活躍できたのではないか、と三渓記念館に伺う度に思います。
三渓記念館近くの横浜市指定有形文化財「御門」もライトアップ
ちなみに今年の「中秋の名月」は10月1日。この日は「日本酒の日」でもありました。
原三渓愛用と思われる刷毛目の酒盃も展示されていました。銘は「幾久齢」。
在りし日にはこちらの酒盃で月を愛でていたのかもしれません。
観月会はまだ間に合います | インフォメーション2020
【観月会は10月4日(日)まで】
※18:00〜20:00
※入園料のみ
※日のあるうちから入れます。
- 観月会が催されている園内は明るくありません。足元に十分注意しましょう。段差もあるので歩きやすい靴をおすすめします。
- 朝夕の寒暖の差が大きい季節でもあります。体が冷えないようなお召し物をもたれることをおすすめします。
なお、新型コロナ感染症防止対策のため、正門や南門の前では検温を行っています。
例年ほどの混雑はないように思いますが、密を避ける、マスクをするなどを心がけましょう。
澄んだ心で月を見上げ、穏やかな気持ちを忘れないようにしたいですね。
観月会が終わる頃には月も三重塔へ近づきました。
横浜三渓園の地図→混雑状況が分かります
↓「拡大地図を表示」をクリックすると、混雑する時間帯が曜日ごとに分かります(Google地図のページに移ります)。
横浜三渓園の基本情報
住所 | 横浜市中区本牧三之谷58-1 |
電話番号 | 045-621-0634/0635 |
開園時間 | 9:00-17:00 入館は16:30まで |
休園日 | 12月29日、30日、31日 |
入園料 | 【大人(高校生以上)】 700円 (団体料金10名以上 600円)【子ども(小学生・中学生)】 200円 (団体料金10名以上 100円/教職員引率の高校生以上の学生 300円)・65才以上の市内在住者、障がい者を対象にした割引があります。 ・回数券や年間パスポートあり |
食事処 | あり(4軒) *うち三渓記念館内「望塔亭」でのお呈茶は現在中止(2020年10月現在) |
お土産ショップ | あり(三渓記念館) |
タバコ | 敷地内禁煙 |
最寄り駅 | JR「根岸駅」「桜木町駅」「横浜駅」、みなとみらい線「元町・中華街駅」など。 |
アクセス | ◆JR「根岸駅」から市バス「58」「99」「101」系統で約10分→バス停「本牧」にて下車して徒歩10分。 ◆JR「横浜駅」東口から市バス「8」「148」系統で約35分→バス停「三渓園入口」にて下車して徒歩5分。 ◆JR「桜木町駅」東口から市バス「8」「148」系統で約25分→バス停「三渓園入口」にて下車して徒歩5分。 ◆みなとみらい線「元町・中華街駅」4番出口から市バス「8」「148」系統で約15分→バス停「三渓園入口」にて下車して徒歩5分。 |
駐車場 | あり ◆正面玄関側 約80台 ◆南門側「本牧市民公園駐車場」 316台 |
公式HP | https://www.sankeien.or.jp/ 最新の情報は三渓園の公式HPをご確認ください。 |